実験の概要

被験者

 20代〜50代の男女18名(立命館大学情報理工学部メディア情報学科情報バリアフリー研究室に在籍する学生17名と教員1名)

使用スイッチ

 今回の被験者は健常者であるため,使用スイッチはマウス左ボタンに統一した.

被験者のグループ分け

 3種類の文字盤の使用順序による測定結果の差を無くすために,以下のように被験者を6つのグループに分け,同一の被験者には毎回同じ順序で3種類の文字盤を使用してもらう.

・タイプA→タイプB→タイプC ・・・ 3名
・タイプA→タイプC→タイプB ・・・ 3名
・タイプB→タイプA→タイプC ・・・ 3名
・タイプB→タイプC→タイプA ・・・ 3名
・タイプC→タイプA→タイプB ・・・ 3名
・タイプC→タイプB→タイプA ・・・ 3名

実験の流れ

 以下に一人の被験者における全体の実験像を示す.

 1日に,ひとつの文字盤につき20分の入力を行ったあと,NASA-TLXを用いてメンタルワークロードを計測する.それを3種類の文字盤について行う.ここまでを1日で行い,これを3日間実施する.
 ただし,今回は1日目を練習とし,2日目,3日目の計測結果を集計した.また,3日目の終了後に使いやすさの順序付けのためのアンケートを行う.これは,1日目,2日目終了時に質問すると以後の実験に影響が出る可能性があったためである.

入力文字の内容

 入力する仮名文字の内容については,あらかじめ仮名文字で表記された入力用原稿9枚を用意し,文字盤の使用順序に関係なく(被験者がどのグループに配属されたかに関係なく),常に同じ順序で入力作業に用いた.
 たとえば,タイプA→タイプB→タイプCのグループに配属された被験者は,入力用原稿1枚目,4枚目,7枚目をタイプAの文字盤で入力,入力用原稿2枚目,5枚目,8枚目をタイプBの文字盤で入力,入力用原稿3枚目,6枚目,9枚目をタイプCで入力することになるが,タイプC→タイプA→タイプBのグループに配属された被験者は,入力用原稿1枚目をタイプCの文字盤で入力,入力用原稿2枚目,5枚目,8枚目をタイプAの文字盤で入力,入力用原稿3枚目,6枚目,9枚目をタイプBで入力することになる.
 こうすることにより,いずれの入力文についても1/3ずつの被験者がそれぞれの文字盤で入力することになり,入力文の内容が計測結果に影響しないように配慮した.