2010年度 卒業論文 西中 裕一朗
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研究の概要
総務省の調べでは,平成21年10月の時点で65歳以上の高齢者は29,010,000となっており,約5万人に1人が高齢者という本格的な高齢化社会となっている.また,要支援・要介護の認定を受けている高齢者は平成20年度末で約4,670,000となっており,年々増加傾向にある.これに伴い家庭内での介護の必要性は増し,福祉機器の重要性は非常に高くなってくると考えられる. しかし現在,福祉機器は多種多様にあることから,多くの人々がどのような症状の時にどの福祉機器を必要とするのか,どのような行動を起こすときにどの福祉機器を必要とするのかということが明確に理解できていない.そこで,福祉機器に精通していない人々でも容易に移動に関する福祉機器を検索することができる「移動用福祉機器検索支援システム」を構築した. 本システムは,福祉機器を検索する際いくつものWebページを訪問しなくてもこのシステムを使えば,ユーザが必要とする福祉機器を容易に検索できることを目的としている. なお,本システムには23種類の移動用福祉機器が登録されており,カテゴリ一覧からの検索か3つの項目からなるラジオボタンでの条件指定検索の2種類の検索方法を使い分けることで最適な福祉機器を検索できるよう考慮した. INDEXへ 研究の背景 現在,私たちの周りには福祉機器を検索するためのシステムは多種多様にあるが,福祉機器を詳しく知らない人にとってはどのような症状のときにどの福祉機器を必要とするのか,どのような行動を起こすときにどの福祉機器を必要とするのかということが明確に理解できていないという現状がある. この問題を解決するために,誰でも自分の症状や状態に適した福祉機器を容易に見つけ出し,利用することができる環境を整える必要があると考え,本研究では福祉機器に精通していない人々でも,高齢者や障害者・児の症状や状態からそれに最も適した移動用の福祉機器を案内することができる検索支援システムを試作した. INDEXへ システムの構成 本システムの構成は利用者が使用するユーザ側と,福祉機器を抽出するサーバ側に分かれる.図1に示す通り,トップページからカテゴリ選択か検索条件指定かを選択し,カテゴリ選択の場合は選択したページが出力される.検索条件指定では3つの項目からなるラジオボタンを選択し,その条件に最適な福祉機器がデータベースから読み出され出力される構成である. ![]() システムの機能と使用方法 本システムではカテゴリ一覧からの検索とラジオボタンでの検索が可能である.2つの検索方法を用いユーザがそれを状況や目的によって使い分けることで,よりユーザビリティの高いシステムになるのではないかと考えた.福祉機器の登録件数は23種類である.図2は本システムのトップページの画像である. ![]() 1.「カテゴリ一覧検索」 この検索は,用意されている5つのカテゴリからユーザが目的としている福祉機器を出力する機能である.5つの中からユーザの目的に最も近いカテゴリの使用用途をクリックすると,さらに細かい項目が表示される(図3,4参照).そして,その項目をクリックすることで福祉機器の詳細ページにリンクする. 本システムの福祉機器の登録件数は23種類であるが,この検索を行った場合カテゴリで分類しているため出力される福祉機器の詳細ページ数は10種類となる.表示される項目は図5に記す. ![]() ![]() ![]() 2.「ラジオボタンでの検索」 この検索は,ラジオボタンからなる3つの項目(場所,上肢,下肢)をもとにユーザが目的としている福祉機器を出力する機能である.使用方法を次の@〜Eで説明する.
まとめ 本研究では,障害児・者,高齢者が使用する福祉機器を福祉機器に精通していない人たちでも容易に検索することのできる検索支援システムを構築した. 本システムの試作により,障害児・者,高齢者,介護に関する知識のない介護者が福祉機器を使用する人の状態や症状を見てその人に最適な移動用の福祉機器を案内することが可能になったのではないかと考える.そして,本システムでは「移動」というテーマに絞ったが,これを全ての福祉機器に対応させる検索支援システムを開発できれば,より多くの人に実際に使用してもらうことができる.また,ユーザが福祉機器の登録や編集を自分で行うことができるツールを付加していくことで,使用者独自の声や考えを反映することができる.このようにして,システム内の情報量を充実させシステムの有用性を高めることで,障害児・者や高齢者,そして介護者のためだけでなく,第三者の人々の知識獲得の場,学習の場となると考えられる. INDEXへ リンク ●立命館大学 ●情報バリアフリー研究室 INDEXへ |