篠田未理様(2002年度)卒業論文
「汎用学習リモコンに対するニーズ調査と試作」
本ページの内容
何のために? 何をしたか? 何が分かった? 卒業論文目次 外部発表
参考資料 (1.アンケート用紙 2.モックアップ仕様 3.シミュレーションソフト)
各家庭にあるたくさんのリモートコントローラ(以下、リモコンという)を一つにまとめ、家族の一人一人が手元に置けるようにしたら大変便利だと思います。リモコンを一つにまとめるためには、操作対象機器の機種を(場合によっては操作のコマンド自体も)リモコンに記憶させる必要があり、「学習リモコン」と呼ばれます。さらにいろいろな機種に対応できることから、ここではこのようなリモコンを「汎用学習リモートコントローラ」と呼びます。
本研究は汎用学習リモコンの試作のための基礎データを収集するための研究です。
1.アンケートの実施
(1) 各種の電化製品のリモコンでどの機能のボタンをどのくらい使っているのかの「利用実態」、
(2) 汎用学習リモコンを商品化した場合の大きさ、色合い、操作性、価格等の「要求条件」
(大きさと色合いはモックアップを見て評価)
に関するアンケートを高齢者104名、学生41名に対して実施しました。
2.シミュレーションソフトの試作
実際に動作するリモコンのハードウエアを試作するのは困難であるため、タッチパネル機能を持つパソコンの上で、実物大の汎用学習を試作しました。
(注: タッチパネル機能とは?
パソコンの画面を触れば、そのことを検知することができる機能。ボタンが押されたものとして次に移ることができる。)
高齢者の場合、実際にボタンを押す方が操作感が得やすいことが知られているため、決まった数のボタンがあって、それらのボタンの表面の表示が場面毎に変わることを前提にシミュレーションソフトを作成しました。
試作したシミュレーションソフトは最初に「機種選択画面」が表示され、機種が選択されれば、その機器を操作するために必要な最小限の数の操作ボタンのみが表示される「操作画面」(機種毎に異なる)に切り替わります。
1.アンケート結果
以下のことが分かりました。
・ 半数以上の利用者はリモートコントローラが1つにまとまれば便利だと感じている。
(学生に比べて高齢者の方がより強く感じている。)
「利用実態」について
・ 利用者(高齢者、学生のどちらも)がふだん使っているリモートコントローラの数は2個から7個であるが、多い場合には10個以上に上る。
・ 高齢者が利用しているボタンの数はほぼ限定されているが、学生が利用しているボタンは多数ある。
・ 上記のことから高齢者にはよりシンプルなリモコンが、学生には従来のリモコンが適している。
「要求条件」について
・ 価格は、高齢者では5,000円までなら買いたいという希望者が多いが、学生の約50%は2,000円まででなければ購入意思がない。
・ 色合いは、黄色と黒のように色合いを背面と文字の色に設定する必要がある。
・ 文字の大きさは、学生よりも高齢者の方が小さい文字が見にくい。
・ 本体の大きさは、薄くて、ほどよい大きさのものが使いやすい。
(他の質問の結果は汎用学習リモコンの商品化に関する調査研究を参照して下さい。)
2.シミュレーションソフト
汎用学習リモコンの表示動作が非常に使いやすいことが確認できました。
第1章 |
序論 |
1 |
第2章 |
アンケート調査 |
2 |
2.1 |
アンケート |
2 |
2.2 |
アンケート対象 |
3 |
2.3 |
アンケート結果 |
3 |
2.3.1 |
利用実態に対する結果 |
3 |
2.3.2 |
要求条件に対する結果 |
8 |
第3章 |
汎用学習リモコンの実現 |
9 |
3.1 |
リモコンの実現方法 |
9 |
3.1.1 |
ロータリー型 |
9 |
3.1.2 |
電子表示型 |
10 |
3.1.3 |
タッチパネル型 |
10 |
3.1.4 |
利害得失 |
11 |
3.1.5 |
モックアップに対するアンケート結果 |
12 |
3.2 |
シミュレーションソフトの試作 |
16 |
3.2.1 |
シミュレーションソフトの概要 |
16 |
3.2.2 |
シミュレーションソフトの動作 |
17 |
3.2.3 |
シミュレーションソフトの評価 |
18 |
第4章 |
結論 |
19 |
謝辞 |
|
20 |
参考文献 |
|
21 |
付録 |
A アンケート用紙 |
6ページ分 |
|
B アンケート結果 |
6ページ分 |
北岡 実紀・篠田 未理・蛭川 渉・樋口 宜男 : "汎用学習リモコンに関するニーズ調査とタッチパネル上での試作,"
リハビリテーション工学カンファレンス講演論文集, pp. 313-314 (2003-8).
pdfファイルを参照して下さい。
項目 |
タイプ1 |
タイプ2 |
タイプ3 |
タイプ4 |
外観 |
 |
 |

 |

 |
外寸 |
H208×W79×D30 |
H126×W79×D32 |
H159×W79×D12 |
機能表示 |
ロータリー式 |
電子表示式 |
白地に黒文字 |
表:黒地に黄文字
裏:灰地に黒文字 |
表:黄地に黒文字
裏:灰地に黒文字 |
H38×W10 |
H38×W10 |
H22×W32 |
H27×W32 |
ボタン |
H38×W21 |
H38×W21 |
最初に「機種選択画面」が表示されます。
機種が選択されれば、その機器を操作するために必要かつ最小限の数の操作ボタンのみが表示される「操作画面」(機種毎に異なる)に切り替わります。「機種選択」ボタンを押せば、最初の「機種選択画面」に戻ります。

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