「ITのためのバリアフリーとバリアフリーのためのIT」

ITのためのバリアフリー
(情報利用
のための障壁解消)
バリアフリーのためのIT
(情報
技術を利用した障壁解消)
 皆さんにとって携帯電話やパソコンを使うことは今や暮らしの一部になっていることと思います。しかし、皆さんの周りには携帯電話やパソコンが使えなくて困っている人がいるのではないでしょうか? 社会がどんどんIT化されていくと、それを使いこなせないことによる不利益(いわゆるデジタル・デバイド)がどんどん大きくなっていきます。
 本来は外出が困難な高齢者や障害者こそが、ITの恩恵を最も必要としているはずなので、このような事態は絶対に避けなければならないことです。
 反対にITを活用すれば、高齢者や障害者にとっていろいろな便利な装置やサービスが提供できます。
 「盲ろう者」(目にも耳にも障害がある人)が日本だけで2〜3万人いると言われていますが、その中には東大の福島 智(さとし)助教授のように、「全盲ろう」(全く見えずに、全く聞こえない)なのに、ITを活用して立派に社会で活躍している人もいます。
 皆さんは、点字を読める人が視覚障害者の約1割しかいないという事実を聞けば驚かれることと思います。ITを活用すれば、視覚障害者のために点字を音声化することも可能です。

 立命館大学情報バリアフリー研究室(情報利用障壁解消研究室)ではこのような状況を踏まえて
「ITのためのバリアフリーとバリアフリーのためのITの実現」
をテーマに研究を進めています。

 「ITのためのバリアフリー」では高齢者や障害者など、IT機器が使いにくい人たちに、どのようにしてそれらを使いやすくするかを研究しています。  「バリアフリーのためのIT」では、ITを使って高齢者や障害者に便利なものを作ったり、サービスを提供したりすることを研究しています。