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| 研究の概要 | 社会的背景 | システムについて | 結論 |

研究概要

肢体不自由者の身体特性はユーザによって、ばらつきが多くそれに対応するために多くの障害者スポーツがある。 これらの中からユーザに最も適するものを自動的に選択するシステムを試作した。

社会的背景

近年、高齢化に伴い、障害者が増加。
(高齢者数 H17:5人に1人⇒H24:4人に1人) 内閣府「高齢者白書」より
(障害者数 H13:560万人 ⇒H17:650万人)?? 内閣府「障害者白書」より
        ↓
中高年が脳卒中などにより中途障害者になるケースが増加。
        ↓
病気、障害の増悪化の予防が重要視され、
多様なスポーツ・レクリエーションなどが推進・実施。
        ↓
自身にあったスポーツを容易に検索することが求められる。

システムについて

    | 1.全体構成 | 2.システムの特徴 | 3.プロファイルの入力方法 | 4.マッチング手法 | 5.実行例 |

1.全体構成
今後も多くの障害者スポーツが実施されることが予想される。これに対応するために、1のように障害者スポーツ実施団体が管理者アプリケーションを用いてデータベースを更新、削除ができるアプリケーションを構築することによって解決を図った。

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2.システムの特徴
「身体障害者の動作特性定式化」である。これは多様である身体障害者の身体状況を図2のように部位ごとに可動域、筋力、巧緻性に分類し、それぞれを1のように0:機能全廃〜5:健常というように、6段階で評価し、格納する手法である。これによって、より細かい身体特性を示すことが可能であり、プログラムによるデータ操作が容易となる。

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能力

身体障害者の状況

0

機能全廃または欠損

1

重度の障害がある

2

中度の障害がある

3

中軽・軽度の障害がある

4

軽度の障害がある

5

健常である

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3.プロファイルの入力方法
しかし、これらは実際に各部位を一つずつ入力することは手間がかかり、分かりにくい。また、重度の障害があるユーザは入力ステップが多くなってしまう。そこで、あらかじめ脊髄損傷や欠損部位、健常部位の情報をテンプレート化しておき、それを選択することによって自動的に身体能力を評価できるようにした。その後、詳細な身体情報を得るために「物を両手で押す・引く」や「歩行ができる」などのユーザが理解しやすい動作項目を選択し、身体情報を得る。図3は、欠損プロファイルや動作例プロファイルを参照してユーザプロファイルに入力しているイメージである。


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4.マッチング手法
次に、ユーザプロファイルとスポーツプロファイルを比較する手法について説明する。ユーザプロファイルとスポーツプロファイルとの差をとり、これらの各要素が全て正ならば適合、負の要素があるならば、不適合となる。図4は、スポーツプロファイルを適合スポーツと不適合スポーツに分けるイメージである。   

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5.実行例
次に、図5にユーザアプリケーションの画面遷移図を示す。プロファイルを作成させるために4つのSTEPをタブ形式で作成した。以下、(a)〜(e)でそれぞれの仕様を説明する。

(a)STEP1:身体情報入力画面
STEP1では、健常部位、脊髄損傷箇所、欠損部位という大まかな特徴をチェックボックス、ラジオボタン、コンボボックスで入力する。これは、脊髄損傷などは損傷する箇所によって障害の程度が決定するため、このような項目を最初に入力することによって、次のSTEPの入力時間を軽減できるためである。

(b)STEP2:動作例入力画面
STEP1の結果を受けて、STEP2では「物を押す・引く」、「歩行できる」といった動作例を4段階のレベルに分けてコンボボックスに示し、ユーザがどこまでの動作が実施可能であるかを入力する。それぞれの動作例は可動域、筋力、巧緻性の能力を測るものにした。

(c)STEP3:詳細確認画面
STEP3では、STEP1、2で得たプロファイルをテーブルに表示する。ここで、ユーザはプロファイルを確認し、修正が可能である。

(d)STEP4:検索結果画面
STEP4では、ユーザに適合したスポーツがリストボックスに表示される。ユーザが興味のあるスポーツを選択すると、説明文、実施中の写真、実施可能部位の画像が表示される。

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結論

1.今後の課題
今後のシステムの課題として、他の検索システムに応用するために、図6のようなプロファイルの拡張やテンプレートの拡張が考えられる。

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2.まとめ
本研究では、身体障害者が自身に適合するスポーツを知ることによって、少しでも外出の機会を与え、健康維持・増進や予防の手助けになることを目標とした。そこで、ユーザである身体障害者の複雑な身体情報を「身体障害者の動作特性定式化」という手法を用いて簡単に入力することによって、ユーザに適合した身体障害者スポーツを登録・検索できるWebアプリケーションを試作できた。

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