高齢者のための検索支援システム
芥田 貴之

研究の概要

現在、インターネットから得られる情報量はインターネット普及率の 上昇に伴い、増加している。 しかし、高齢者のインターネット関するアンケート結果から分かったことは、

使ってみたいけど、使える環境にない為利用できない。

という人が多いことであった。この中には、もちろん手元にパソコンがない という方もおられるが、使い方が難しくて分からないけど教えて くれる人がいないという意見も多かった。そこで本研究では使い方が難しくて使えなかった人にも簡単に使える検索支援システム の試作を行った。

試作したシステムについて

今回試作システムは、インターネットブラウザ上で動作し,FlashPlayerがインストールされているパソコンであれば動作する.画面の解像度は1024×768px以上が推奨サイズであるが,ツールバーやブラウザの設定によっては文字サイズが適切に表示されない場合もある.
また,ポインティングデバイスとしてマウスの代わりにタッチパネルを利用することにより,図書館での蔵書検索システムのような形で検索システムを使用することができ,マウスやキーボードで操作するよりも抵抗なく,そして容易に高齢者がシステムを利用できるのではないかと考えた.
システムの作成にはHTML,PHP,Flash等の言語を使用し,データの格納のためにデータベースとしてMySQLを使用した.また,一般サイトから最新の情報を取得するためにRSSやAPI等の技術も利用している.

ニュース検索


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ニュース検索は、Yahoo!ニュースの情報を取得し、ヘッドラインを表示させ
閲覧したいニュースに誘導するシステムである。
ニュース情報の取得には、自作のRSSリーダーを用いた。

天気予報検索


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天気予報検索では、Yahoo!天気予報の情報を取得し、都道府県ごとの
週間天気予報を表示させるシステムである。
天気予報情報の取得には、自作のRSSリーダーを用いた。

製品情報検索


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製品情報検索では、Yahoo!家電ナビの情報を取得し、ユーザレビューに基づき、 評価の良い上位5機種を表示させるシステムである。
製品情報の取得には、Yahoo!家電ナビAPIを用いた。

観光地検索


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観光地検索では、データベースに登録した観光地情報を呼び出し
地域ごとに観光地の情報を表示するシステムである。
地図の表示にはGoogleMapのAPIを利用した。今回の試作システム
には京都の観光地を数箇所登録した。



評価と今後の課題

試作システム完成後、実際に高齢者にシステムを利用してもらった。
その結果、使いやすくて楽しいという意見をもらった。
評価してもらった高齢者はパソコン未経験者で、パソコンは難しい物と
考えていたが、今回のシステムは抵抗なく利用できた。
このことから検索支援システムは高齢者のデジタルデバイドの解消に
繋がるのではないかと考える。

今後は、更なる誘導率の向上と新たな機能が追加できるかを検討すべきである。
2007.Barrier-Free Information Technology Laboratory,Ritsumeikan University