2007年度
「高齢者のためのパソコン入門講座(改善と再評価)」
情報バリアフリー研究室 外園 和也
本研究は,高齢者にいかに分かりやすくパソコンを学習してもらうかを考察し,実際にパソコンを使ってもらうことで,私たちが生活の一部として利用しているように,高齢者にもパソコンを利用してもらうことを目指し,より良いパソコン学習の教材の提案を行う.実験では,昨年度情報バリアフリー研究室で試作された補足資料(操作集・虎の巻)を,既存のパソコン教材と併用して学習するときの有用性を調べ評価した.評価実験は2回行った.1回目実験では操作集・虎の巻のすべての項目について評価した.2回目の実験では1回目の実験結果をもとに改善した操作集について再評価した.そして新たに出てきた問題点を洗い出し改善することによって,補足資料(操作集・虎の巻)とパソコン教材を一体化させHTMLドキュメントを用いた「パソコン入門講座」を試作した.本論文では,2回目の評価実験と試作した「パソコン入門講座」を中心に述べる.
3.研究の流れ
本研究は,昨年度の研究を発展させたものである.昨年度の研究が進んだ範囲と,今年度行った研究の範囲を以下の図で示す.
本ホームページは青く囲まれた内容について述べる.オレンジで囲まれた範囲の内容は前田氏のホームページを参照されたい。
その結果,実験1で操作集にA+の評価が付いた項目が5個、虎の巻には1個という結果が出た.操作集に関しては,ある程度の有用性があったものの虎の巻はまだまだ改善が必要である。実験2では実験1の結果から改善した操作集・虎の巻についての評価をした.操作集に関しては,A+,A評価が1つ増えた.実験@の結果にくらべて大きな成果が挙がらなかったので,まだまだ改善が必要であると考えられる.虎の巻に関しては,A評価が6つ増え,C評価が15も減ったので改善した虎の巻は高齢者にとって,使いやすい補足資料であると言える.
また実験@Aの結果と被験者の意見から,HTMLドキュメントを用いた「パソコン入門講座」を試作することができた.画像や文章での説明に動画をプラスすることによって,高齢者がパソコン学習する上で非常に使いやすいパソコン教材の提案ができたのではないかと思う.