●概要
   ●内容
   ●評価アプリケーション
   ●実験T〜Wの結果
   ●結論
   ●リンク



        概要

    本研究では,デジタルディバイドを解消することを目的とし,4種類のポインティング
       デバイス(マウス,トラックボール,タブレット,タッチパッド)で,どれくらいの期間で
       どれが1番使いやすくなるかを,異なる性質をもった指示対象における比較評価を行った.
       異なる性質の指示対象としては,ワープロソフトの文字選択を想定した”ターゲットに面積
       があるもの”,ホームページのハイパーリンクの選択を想定した”面積のあるターゲットに
       ペナルティエリアがあるもの”,図形処理などの細かな操作を想定した”ターゲットに面積
       がないもの”また,パソコンの操作には欠かせない”ドラッグアンドドロップの操作につい
       て”の4種類を対象として実験を行った.被験者は4名で,20日間実験を行い,学習効果を
       調べた.
        その結果,マウスかトラックボールが有効で若年者は7日程度,高齢者では12日程度継続し
       て使うと,使いこなせるようになることがわかった.




       内容

    マウス,トラックボール,タブレット,タッチパッドで,
        ・パソコンをあまり使用したことがない50歳代女性
        ・パソコンをあまり使用したことがない20歳代女性
        ・マウスの扱いに慣れている60歳代男性
        ・マウスの扱いに慣れている20歳代男性
        に対して20日間実験を行い,作業時間や誤差から学習効果を調べた.



      評価アプリケーション

             実験T:ターゲットに面積がある場合
                 文章作成の際の文字選択の操作を想定しており、ランダムな場所に表示されるターゲット
          を20回クリックする作業時間を調べた。
               

           
                     実験T実行画面


        
実験U:面積があるターゲットにペナルティエリアがある場合
          
ホームページのハイパーリンクを選択する操作を想定しており、ターゲットの大きさや
          提示方法は実験Tと同様である。しかし、ターゲットの周囲にペナルティエリアを設定
          しており、ターゲットをクリックすると「成功」、ペナルティエリアをクリックすると
         「失敗」となり、成功した場合のみ次のターゲットが表示される。
          このプログラムで、作業時間と成功率を調べた。


               
                               実験U実行画面


        
実験V:ターゲットに面積がない場合
           図形処理などを想定しており、2本の直線の交点を正確にクリックしてもらい、15回の
          クリック位置の誤差の平均を調べた。

               
                               実験V実行画面


    
実験W:ドラッグアンドドロップを行う場合
           ファイルをフォルダにドラッグアンドドロップする作業を想定しており、真ん中の黒い
          カバンに、全てドラックアンドドロップする作業時間を調べた。

               
                               実験W実行画面



  実験T〜Wの結果

          作業時間
            作業時間は"実験T×(正規化定数 1.1)+実験U+実験W×(正規化定数1.3)"でまとめ、評価する。

       
    被験者1:パソコンをあまり使用したことがない50歳代   被験者2:パソコンをあまり使用したことがない20歳代
    被験者3:マウスの扱いに慣れている60歳代             被験者4:マウスの扱いに慣れている20歳代


        作業収束値と慣れるまでの日数から被験者1はトラックボールが、その他の被験者はマウスが
       使い慣れやすいという結果になった。また、多少誤差はあるが、10日ほど使用すると、各デバ
       イスに慣れることがわかった。



        誤差
          誤差は"実験V"より評価する。

    被験者1:パソコンをあまり使用したことがない50歳代   被験者2:パソコンをあまり使用したことがない20歳代
    被験者3:マウスの扱いに慣れている60歳代             被験者4:マウスの扱いに慣れている20歳代


        誤差はどのデバイスが小さいというのは、わからなかったが、慣れるまでの日数から言うと、
       被験者4はマウスが早く慣れ、その他の被験者は平均的にみて、トラックボールが早く慣れる
       という結果になった。
        また、各デバイスとも10日ほど使用すると、そのデバイスに慣れることがわかるが、被験者間
       の比較をすると、高齢になるほど誤差が大きくなったり、慣れるまで日数がかかるという結果
       になった。


 結論

        パソコンの使用度が低い人は、
           若年者の場合、マウスが
           高齢者の場合、トラックボールが有効である。


             また、各デバイスとも10日ほど使用すると、そのデバイスに慣れるが
        高齢になるほど誤差が大きくなったり、慣れるまで日数がかかる。





  

  ●立命館大学

  ●立命館大学 情報理工学部

  ●情報バリアフリー研究室(教員)

   ●情報バリアフリー研究室(学生)




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