田中 美香 卒業研究 2004年度
  
携帯電話用音声応答システム




目次
    背景と目的
   操作の流れ
    考慮した点
    まとめ      
     今後の課題



   背景と目的

      現在、携帯電話は著しく普及している。しかし、喉頭摘出者などの発声に障害を持つ人々の多くは、
    携帯電話を用いてリアルタイムに会話を行うことができず、不便を感じている。

     そこで、合成音声を用いて意思伝達することができれば、発声に障害を持つ人々でも携帯電話を
    用いてリアルタイム会話を行うことが可能ではないかと考えた。

                                   

     通話中に、簡単なボタン操作を行うことで、文章を作成し音声を合成して相手に言葉を伝えることを
    目的としたシステムを試作した。




   操作の流れ

         

         初期メッセージ出力
           ↓
           カテゴリ選択
           ↓
       各カテゴリ内の言葉を選択
           ↓ 
          入力文章の表示
           ↓
            音声出力




   考慮した点

     ・
ボキャブラリの検討
       
選定方法・・・一日筆談を行うことで生活に必要な語彙を調査した。
                 また、不足している言葉もあると考え、電子メールで使用する言葉についても
                 調査し、追加した。


       
カテゴリ・・・理解・あいさつ・要求・感情・感覚・人物・とき・動作・生活・疑問・否定・その他

     ・
ユーザインタフェースの配慮
       
ユーザにとって良いシステムとは、要求された機能が正しく実装されているだけではなく、
        ユーザにとって使いやすいものでなければならない。
         本研究では、Ben Shneidermanが提唱した対話設計におけるユーザインタフェースの「8つの
        黄金律」を参考に本システムのユーザインタフェースの検討を行った。

         
省略      ・・・経験をつむとユーザは対話の回数や入力の数を少なくするため、省略形、
                    特殊キー、隠しコマンドなどをよく使用する。これを用いることで応答時間が
                    短縮され、処理にかかる速度が向上する。

         
一貫性    ・・・操作、用語に一貫性を持たせる。統一することで、ユーザがシステムを使い
                    やすくなる。


         
フィードバック・・・どのような操作に対しても、ユーザ自身が視覚的に確認できるように何らか
                    のフィードバックをユーザに返す。

         
逆操作   
 ・・・ユーザが操作を誤ったとき、それを取り消すことができるように操作は
                    可逆的にする。



      まとめ

        発声に障害を持つ人々が簡単なボタン操作を行うことで、音声を合成して出力するシステムが完成した。
        また、本システムは意思伝達装置として使用することも可能である。



   今後の課題

       ユーザの使用目的や職業、生活環境などによって必要となる語彙は異なるため、カスタマイズを行うことが
       必要。

       また、カテゴリの再検討を行うことが必要である。


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