分かりやすさに係わる要因抽出



本研究では“分かりやすい”の観点のみに的を絞り,要因抽出を行った.取扱説明書には様々な分かりにくい,または分かりやすい要因が含まれている.本研究室員8名に協力してもらい,要因抽出を行った.抽出した要因を表に示す.


               表 分かりやすさに係わる要因

図について 図の有無
図の使い方(全体図,部分図,操作文ごとに全て図あり,一部のみ)
種類(テクニカルイラストイ,メージイラスト,漫画,その他)
大きさ
操作文に対する位置(上下左右)
文の構成について 箇条書きの基準
段組,段数,段間
字・行間
版面率(1頁の紙の大きさに占める文章,図表の割合)
説明文について 操作文と補足文の区別の有無(網掛け,囲い,区切り線,彩色)
ピクトグラム(絵文字)の有無
文字サイズ,フォント
操作文に対する補足文の位置
説明文は1ページ内に収まっているか
専門用語の有無
カタカナ用語の有無
マークの有無
漢字の比率
ジャンプ(違うページに飛ぶ)


分かりやすさに関して様々な要因が挙げられたが,これら全て,数量化T類を用いて分析するには膨大なデータが必要となる.今回はこの中から最も分かりやすさに影響を与えると考えられる要因を絞り,以下の5つとした.

1 図の有無
2 操作文と補足文の区別の有無(以下,区別の有無という)
(操作文とは操作する内容の文であり,補足文はその操作文に対しての詳細な説明文を指す.)
3 ジャンプの有無
(重複する情報を記載せず,前の頁を参照することである.)
4 専門用語の注釈の有無
5 文字サイズ(9p,10.5p,12p)
(文字サイズの大小を表すため9p,10.5p,12pを設定した.)