背景と目的


近年,めざましい技術革新とともに多様化するユーザのニーズに対応するため,電化製品,電子機器等の高機能化および多機能化が進んでいる.これら高機能化および多機能化が進んでいる製品として,パーソナルコンピュータ,携帯電話,デジタルカメラなどが挙げられる.これらの製品は,昔のような単機能な製品とは異なり,様々な機能が搭載されている.そのため,取扱説明書なしでは扱うのが困難になっている.
しかし,ユーザの取扱説明書に対する評価は悪く,分かりにくいと言われている.実際に全ての機能を理解し,活用しているユーザは少数である.この原因の1つとして,高機能化および多機能化に伴い,製品を理解するために必要となる情報量が増加していることが挙げられる.今,より良い取扱説明書作成は企業にとって大きな課題となっており,取扱説明書を商品の一部として考えられている.また取扱説明書に関する評価方法が研究がされており,分かりやすい取扱説明書を作成する動きがある.
そこで,本研究では,分かりやすい取扱説明書を作成する上で考慮すべき要因の抽出を行い,抽出した要因の影響度を,評価試験を行うことにより明らかにする.また,結果について考察を行い,分かりやすさを定量的に把握する手法を用いて,分かりやすい取扱説明書を作成する上での基準を設けることを目的とする.