概要



本論文では,分かりやすい取扱説明書を作成するため,“分かりやすさ”に影響を与える要因を抽出し,どの要因が最も“分かりやすさ”に影響を与えているか数量化T類を用いて定量的に把握する.一般的に電化製品などに付属している取扱説明書は,色や形に制限がある.その制限された中でどの要因を最優先するべきか各要因の影響度を分析し,分かりやすい取扱説明書の基準を定める.まず,取扱説明書に対してユーザが求める要件について調査し,その要件の中で“分かりやすさ”について,要因抽出を行った.次に抽出した要因を含めた取扱説明書を作成し,評価試験を行った.そこで得たデータを分析し,考察した.その結果,若年者,高齢者ともに視覚的に捉えられる“図”は分かりやすさに最も大きく影響を与えていること,“文字の大きさ”と“ジャンプの有無”については,若年者に比べて高齢者には影響が大きかったこと,“区別の有無”,“専門用語の注釈の有無”の影響は低いことが分かった.